「実は、その時、水道の水は陰になるのだろうかと思って、味噌汁と同じようにコップに半分ほど入れ、サランラップでふたをしておいたのです。」

「水道の水は塩素で殺菌してあるので、陰にはならないのではありませんか」と町会長。

「ところが、34時間ほどたった時、コップに入れた味噌汁と水をチェックしたら、なんと、水道水が先に陰になっていたのです。」

「なぜ、そんなことが起こるのでしょうか」と町会長。

「水道水は34時間もすると常温では細菌が繁殖してしまうと推定しました。」

「なるほど。味噌汁は、乳酸菌が増殖して乳酸菌バクテリオシンができたので、セレウス菌や他の細菌が増殖できなかったということですか」と町会長。

「僕もそう思ったのですが、細菌や乳酸菌バクテリオシンを同定する設備がないので確認はできませんでした。陰にはなっていないので、食中毒を起こす細菌が繁殖していないことは確かです。」

「なるほど」と町会長。

「水道水が34時間もすると陰になってしまうので心配になって、沸騰ジャーポットのお湯はどうなっているのかチェックしたら、幸いなことに、陽でした。」

「電気ポットの保温温度は何度に設定してあるのですか」と町会長。

「90℃です。」

「その温度ではセレウス菌の芽胞は死なないのではありませんか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実は、水道水が1日半くらいで陰になってしまったので、沸騰ジャーポットのお湯を、水道水と同じように殺菌したコップに入れ、サランラップでふたをして、キッチンの隅に置いておいたのです。」

「電気ポットのお湯をコップに入れた時、細菌が何日くらいで繁殖するかという実験ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それで、何日くらいで陰になったのですか」と町会長。

「驚いたことに、その日のうちに陰になってしまったのです。」

「沸騰型の電気ポットで設定温度が90℃だと、その日のうちに陰になってしまうのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ビックリしましたね。」

「電気ポットには、セレウス菌の芽胞がたくさん入っていたということですか」と町会長。

「セレウス菌の芽胞を同定する設備がないので確認していませんが、セレウス菌の芽胞は入っていたはずですね。耐熱性があり、食中毒を起こすウェルシュ菌やボツリヌス菌の芽胞が入っていた可能性もあります。」

「いずれにしろ、電気ポットのお湯が、その日のうちに陰になるということは、その日のうちに体に害がある細菌がコップの中で増殖してしまったということなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/9/15

<筆者の一言>
先日、息子が休みの日にヒゲを剃り忘れて、ヒゲが濃くなっているのに気がついた。『年を取っているのか』と思った。そして、『100問連続で詰碁ができない日があるのか』と聞いてみた。『2,3ヶ月に1回できない日がある』と言った。ヒゲを剃ると若く見えるので、年を取っていることに気が付かなかったのだ。

『2,3ヶ月に1回100問連続で正解できない日がある』と年を取ってしまうのだ。筆者の場合、99問連続正解していても、100問目で間違えれば、必ずやり直す。2度めで間違えて3度やったこともある。3度目には100問連続正解できているので、4回やったことはない。

<猫後記4>
9月になると水道工事を始めたので忙しくなったが、スナゴケの築山(つきやま)を荒らしに来る猫は増え始めた。『築山を荒らしに来る猫が仲間の猫に自慢話をしているんだな』と思った。

『もう、まともな超音波害獣撃退機は手に入らない』と思ったので、駐車場に隣接する東の苔庭でやったように緑色の防鳥ネットを苔の上に張ってみた。

ネットは効果があったが、それでも荒らそうとした気配が毎日あった。猫は日に日に増えているようなのだ。『我が家の苔庭は猫の間では有名で、苔遊びができないことでも知られていたに違いない。そのため苔庭を荒らしに来た猫が他の猫に自慢するという連鎖が繰り返されて中庭に侵入する猫が増えているのだ』と思った。<続く>

2024/8/30